2015年06月30日

タトゥーの問題は厄介だなあ

◎タトゥーをどう考える?

 外国からの観光客誘致で「観光立国」を目指す日本として、頭が痛いよね。
 何がってタトゥーの問題ですよ。
 観光庁がこのことで、全国3700の観光施設対象に実態調査を始めるのだそうな。
 たしかに、これまでの僕たちの暮らしの中では、「入れ墨」は「アート」でも「宗教儀礼」でもなく、「威嚇」の手段だったでしょう。
 でも「タトゥー」はどうでしょうか。今では、若者中心に珍しくもなし。高崎の街中だって、そうですよ。
 僕の世代としては、抵抗感アリアリだけれど、あれを「ファッション」とか「アート」とか、あるいは一部の外国人のように「宗教儀礼」と考えると、「タトゥーの方は入場お断り」と画一的にいけるのかどうか……。
 タトゥーがファッション、アートなら、同じ若者の鼻ピアスも、へそピアスもファッションだろうし。茶髪も金髪も確かにファッション。年配者の「白髪染め」も、やっぱりファッションだし。
 僕も、白髪が多いので、7年前から軽く「茶髪」にして「ごまかして」います。これも、「見てくれ主義」からのもの。だとしたら、「タトゥーだって、かっこいいじゃん」って言われた場合に、反論の理論武装が構築できないのですよ。

◎アスリートのタトゥーは?

 もっと厄介なのは、アスリートのタトゥーでしょう。
 僕も大好きなラグビーの場合、国内最高峰のトップリーグに加わる外国人選手だと、タトゥーは当たり前の世界。来日する世界の強豪チームは、なおさら。
 これを「おことわり」するわけにもいくまいし。
 「彼らは彼らだから」で済むかもしれませんが、これを日本のラグビー少年たちが「アートっぽくて、かっこいい」と感じて、タトゥーを入れたいと思い立ったら、大人はどう反論するのでしょうね。
「だって、先生。世界ナンバーワンのオールブラックスにだって、タトゥーを入れている選手がたくさんいるよ。ああすると、ラグビーが上達するんじゃないの?」
 こう言われたら、大人はどうするんでしょうか。
 誤解をおそれずに言えば、昔の(今もそうだっけか?)高校球児の坊主頭の異様さと、アートっぽいタトゥーと、どっちが見苦しくないか。そうなると、個々人の主観・価値観の問題でしょうしね。
 
 ともかく、温泉旅館などに、そういう「世界の一流アスリート」でタトゥー入りの人が、タトゥーのないチームメートと一緒に入湯しようとしたら、どうしたらいいんですかね?
 観光立国もたいへんだあ。観光立県を目指す温泉王国群馬も、他人事ではありません。

◎価値基準がどんどん変わっているからなあ

 いつだったっけか。オリンピックの現地国入りで、ユニホーム姿でしたが、シャツをパンツの外に出していて、「非国民扱い」された若者がいたじゃないですか。あやうく「出場辞退」に追い込まれそうになったことが。
 でも、あの頃だってそうだし、今なら「ジャケット・シャツ・パンツ」で、シャツをズボンの中に入れると、棒らの世代に対してだって「おじさん臭くて、ださいなあ」の声が飛ぶじゃないですか? 
「だらしがない着方だ」と思っていた僕ら以上の世代のおじさんたちだって、「アウト派」でしょうが。
 あの若者、あんなにたたかれる必要なんてあったのかなあと、僕は思うのですよ。
 この間、高校生の娘がいるお母さんと話していて、僕がたまたまシャツをパンツの外に出して、ジャケット羽織ってたら、その人が「短大の授業も、その雰囲気で行かなきゃね。ださいおやじだって、笑われますよ!」
 ええ? ホント? 授業じゃあ、その勇気はないなあ。
 でも、世のお母さんが普通にそう言うくらい、価値基準は激変しているのですよね。

◎9月はワールドカップ。そして、未来の日本でこんな悪夢が

 と言いつつ、話をタトゥーに戻しましょう。
 愛するラグビーの試合で、腕や背中のタトゥーは見たくないんだけどね。
 今年9月は4年に1度のワールドカップ。
 テレビ中継を見ていても、タトゥーだらけなんでしょうかね(-_-;)  嗚呼!
 となると、僕は本気で心配するのです。
 将来の花園ラグビー場での全国高校ラグビー。ボールをかかえて独走トライする選手のさわやかな笑顔と、二の腕に誇らしげに光るタトゥー。
 そんな悪夢が、現実のものになるんじゃないかってね。
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2015年06月29日

お寺づいています

◎黒瀧山の普茶料理を満喫
 予告通り25日、久々に南牧村の黒瀧山山頂にある黄檗宗の不動寺を詣でて、住職とお嬢さんたち手作りの普茶料理を満喫してきました。もちろん、座禅で、肩をピシッとたたかれてもきましたよ。
 同行したのは、5月に「尊敬する叔父さんを追悼する」本である『紫苑の人  半田喜作さんを偲ぶ』を出版した金井治子さんや、そのお友達たち。精進料理の中でも、ひときわ中華料理色の濃いことが特徴の普茶料理。長岡良圓住職、ますます腕が上がっているなあ、感激しました。
 一緒に行った金井さんらおかあさんたちも、大喜びでした。

◎アジサイの観音山
 昨日は、「亡き夫、亡き父」のために、生前書きためた小説集『低音のバラード』『空の上のメルヘン』を4月に出版した相崎克子さん、祥子さん親子らと、観音山の清水寺へ。500段以上もある石段の両脇には、色とりどりのアジサイが満開。
「高崎の観音山という名前は、この清水寺の本尊の千手観音からきています。けっして昭和11年に建立された山頂の白衣大観音像があるからではないのですよ」
 などと、にわか仕込みのガイド役。寺の脇の「崖っぷち」にあるそば処「そばっ喰ひ」での「そばがき」と「皿盛りそば」にも、よろこんでもらえました。
 快晴に近い高崎。おふたりには満足いただけたようです。

 仕事の都合で、僕は、昼食後失礼して事務所へ。相崎さんたちは少林山達磨寺へ。
 日頃は高校の英語教師として忙しくしている祥子さんには、格好の息抜きになったようです。
 お誘いしたかいがありました。

◎観音山で合流前に、夕食の買い出し
 高碕・吉井間の中山峠の農産物所は、県内でも一番の「成功例」です。自宅からでも事務所からでも車で15分とはかかりませんから、よく行きます。この日午前10時からは、ここで本日の夕食の買い物。なにせ、買い物7分。レジに並んで15分という大繁盛店。
 自宅の野菜物がほとんどきれていたので、レタス・キュウリ・トマト・オクラ・キャベツ・青じそ・じゃがいも・ニンジン・枝豆など、かご一杯買って、1300円。うれしいなあ。

 夕食は、野菜大盛りサラダ、枝豆、茶碗蒸し、オクラ入りマグロ納豆、アユの塩焼き。なんとなく夏の装いね。
 いつもは夫婦でビール大瓶1本なのに、もう1本お代わり。
 ここでやめときゃいいのに、当然のようにワインボトルの栓を開けて……。嗚呼!

 黒瀧山の料理も、そばも、自宅の夕食も、食べるのに夢中で、写真を撮り忘れた(-_-;)
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2015年06月24日

「家庭料理がすたれている」って、本当なのかな?

◎「我が家の味」のレポートに学生は
 
 よく世間で言います。マスメディアの世界でも言われます。
「家庭で料理をしなくなっている」
「まな板も、包丁もない家が増えている」
「専業主婦がいなくなり、みんな共働き。料理に工夫する余裕がない」
 ですから、僕もそんなイメージを持っていました。
 明和学園短大の、食文化を柱にした「地域文化論」の授業で、「思い出に残る我が家の味」に関してミニレポートを課題に出したのですが、実は心配していました。
「全員が、カップヌードルとペヤング・ソース焼きそばの話だったら、どうしようか」
 そんな不安ですね。

 さてさて、本日の授業用におととい締切で提出してもらったミニレポート。
 約60人が書いた文章を見ていた僕は、予想を大きく「裏切られました」。もちろん、「よい方向に」裏切られたんですよ。

◎おばあちゃんのサバ味噌丼は世界一

 みんな、おばあちゃん・おじいちゃん・お母さん・お父さんが「孫のために、子どものために」一生懸命にに、いろいろ工夫して作ってくれた料理について、書いてくれました。
 おじいちゃんが大好きな「米粉のだんご汁」、おじちゃんと一緒に山で採ったなめこがいっぱい入った「なめこ汁」。おばあちゃんが作った「じゃがいもの味噌炒め」、おばあちゃんの「手打ちそばや、手打ちラーメン」。「おばあちゃんのサバ味噌丼は世界一です。冷えたご飯を盛った丼にサバの味噌煮をかけて、レンジでチン。こうすると、サバ味噌の風味がご飯にしみこんで、おいしいのなんの」そんな学生も。

◎「私が頑張らなきゃ」の日に、お母さんは必ず……

 お母さんが、玉ねぎ嫌いの自分のために、玉ねぎを細かく切って「味や食感を変えて、食べやすいように」作ってくれた「ハンバーグ」。聞いていて楽しかったのは「お母さんののり弁は、ご飯を掘っていかないと、何が入っているかわからない。だからこそ、食べる楽しみが大きい」という話。
「私にとって、お母さんの味の代表は肉巻き。薄切り豚肉でゆで野菜を巻いて焼いたもの。けっして凝った品ではないのですが、これまで、『私が頑張らなきゃ』という日の前の晩や当日のお弁当は、必ずこの肉巻き。部活の試合、高校受験、和太鼓の発表会。私を励ましてくれたのが、お母さんの肉巻きです」
 僕は、こういう話に弱いのです。
 レポートを読んでいて、思わす涙が浮かんできてしまうのですよ。今日の授業で、学生の前で泣くわけにはいかないから、笑っていたけどね。

 お父さんの自慢料理として、楽しかったのが「レタス炒めのホワイトソース仕立て」。フライパンでレタスを炒めて、レトルトのホワイトソースを加えた品。まずかろうはずがない。しかも、なんとも「男の料理」らしいシンプルさ。
 おばあちゃんも、おじいちゃんも、お母さんも、お父さんだって、家庭で積極的に料理してるんだなあ、と痛感。

◎彩り野菜のおっきりこみ ROSSO

 自分自身で作った料理の思い出をリポートした人もいます。
「母のオムライスに負けないように、自分でオムライスに挑戦。でも、ふんわりトロトロのオムレツは難しいなあ」
「高校時代に、料理の大会に出るために『彩り野菜のおっきりこみ ROSSO』を考案しました。トマトベースのミネストローネに麺が入っているイメージかな」
 なるほど。僕も自宅でオムライスに挑みますが、あんまりうまくできません。だから、彼女の苦悩がよくわかります。
 『今夜もおっきりこみ』の著者として、トマトスープのあっきりこみを提案したことはあります。熱々でも、夏用に「冷やしトマトのおっきりこみ」も。
 でも、ネーミングで、僕が遅れをとっているなあ。「冷やしトマトのおっきりこみ」にとどまるのが、僕らの世代。大学1年生だと(料理を作ったときは、高校生ですね)「おっきりこみ ROSSO」だものね。うちのめされる思いですわいな。

◎「幸せの記憶」を伝えていってよ

「我が家の味を考えるってことは、家族とのこと、自分自身のこと、いろんなことを考えるきっかけになります。
 幸せな暮らしの記憶って、家族みんなで食べた料理から伝わってくるものではないでしょうか。
 家庭料理がすたれてきているって考え方は、間違っているのかもしれません。
 すくなくとも、今ここにいるみなさんは『誇れる我が家の味』があります。それは、本当に幸せなことだと思ってください。たくさんの愛を家族から注がれているみなさんは。
 ですから、みなさん自身が、これから、今まで以上に積極的に料理を作ってみてください。それに、レポートでふれている人がたくさんいますが、将来結婚した後は、なおさら大切ですからね。
 みなさんを今日まではぐくんだ『わが家の味』。おじいさん・おばあさん・お母さん・お父さんたちが作ってくれた品々を、今度は、みなさんが自分の家族に伝えていったほしいのです。豊かな記憶とともに」
 僕は、そう口にせずにはいられませんでした。

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2015年06月22日

久々に黒瀧山に行きます

 ワクワクしています。
 今週木曜日、久々に、黒瀧山不動寺に行きます。
 仕事上の知り合いが「黒瀧山の黄檗普茶料理が食べたい」と言い出したため、5人でうかがうことになりました。黄檗普茶料理は4人1組が原則。ひとり減っては困りますが、今回のように増えてもOKってことですね。

「食事は作務・坐禅・写経とセットですから1日がかりですよ」。
 食事を申し込んだ際に、寺の人から、こんな風に言われました。
 限界自治体として全国的に有名になった南牧村。車で奥へ奥へと進み、標高1000メートル近い黒瀧山の山頂にあるのが、黄檗宗の禅寺・不動寺です。
 住職手づくりの精進料理である黄檗普茶料理を味わえることでも知られています。
「まず、作務(お寺の労務=掃除などの作業。だから僕らは軍手持参なのです)から」は当然の話。
 仏道修行では「一に作務、二に勤行(読経・坐禅)、三に学問」なのです。修行僧でない身にも、その心得は大切です。
 和食の原点とも言われる精進料理ですが、その出来栄え以上に、最優先されるべきは「心」です。
 寺を詣でて、膳を前にする僕たちにとっては「命について語り合い、考え、感謝する」場にほかなりません。作務、坐禅。そして住職の法話を交えた食事。さらに写経。寺で食事をするなら、こうでなければなりません。
 ドライブがてらに食事をするなら、手ごろな店がたくさんあります。
 それと一緒にしてはいけません。
 料理の完成度や美しい山岳風景を楽しむのではなく、なにより人の、自然の、世のすべての命に感謝する1日にするために、行くのですから。

 実際に寺を詣でた感想は、週末にでも語ることにしましょう。今日は、「前触れ」です。
posted by katsuhiko at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年06月20日

エビさんを成仏させるには

 先日書いた「焼きキャベツの、エビ添え」について、友人から、「エビの殻や頭などかたとったダシ」や「エビ風味の塩ラーメン」の写真も載せろとのご指摘がありました。
 以前は食べるのに専念して、焼きキャベツ以外の写真までは撮らなかったので、昨晩、もう一度つくってみました。
 一度、このエビを「伊勢エビ」にしてみたいものですね(財布が「ウン」と言わないかな)。

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 エビの殻や頭、尻尾を焼いて、鍋で似ていると、「安物エビ」でも台所中にエビの香りが漂うほどです。

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 塩か薄口しょうゆで味を調えて、中華めんで「エビ風味の塩ラーメン」がいいですね。

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 ご飯を茶碗に盛って、このスープをかけた「エビ風味茶漬け」も捨てがたい味わい。
 ほかにもこの「殻」たちをフードプロセッサーで細かくして「エビソース」にする手も簡単。
 ここまで使ってあげれば、エビさんたちも迷わず成仏か?。

posted by katsuhiko at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記