ここひと月ほど「葬儀社」さん活動に没頭していました。
したがって、このブログも「放りっぱなし」でした(-_-;)
知り合いの85歳男性が11月16日に病気で他界。
奥様から「自宅で密葬して、ひと月後にホテルでお別れの会を開きたい」というご希望があり、その総合プロデュース。
実は、15年ほど前から、こんな「ホテル葬」にも取り組んでいます。
他界直後に、ご自宅で僧侶と家族だけで通夜・密葬・火葬を指揮。
リビングに祭壇を組むなどの実務は、創業120年の老舗葬儀社・プリエッセにお願いしました。
お別れの会は12月12日に高崎ビューホテルで営みました。
カラー写真満載の会葬礼状を作り、奥様の挨拶の内容の助言をしたり。受付表・座席表、名札も作り、と実態は「手作り感」にあふれたものです。
プリエッセさんと生花祭壇のデザインを練り、ビューホテルと当日の食事メニューを検討。
故人の好物が「豆腐」「サーモン」「マグロ」「煮物」だったため、最終的に「養老豆腐」「スモークサーモンのサラダ仕立て」「刺身2種」「ニシンと野菜の炊き合わせ」「上州麦豚のソテー キノコソース」「炊き込みご飯」に落ち着きました。
故人が富岡ご出身なので、ご飯につける汁は、富岡名物「こしね汁」に。こんにゃく・しいたけ・ねぎの頭文字からつけた「こしね汁」です。
当日の分刻みの進行表と、司会者向けナレーション原稿は、プリエッセさん、ビューさん、女性司会者さんに渡して、僕は、会場の「柱の陰」から、ハラハラしながら監督。
ときおり、司会者に声掛けして進行。
こういう場では、生演奏とか歌が登場したりしますが、今回はご家族の意向で、クラシックのCDのみ。シューベルトのセレナーデと、アヴェ・マリア。
希望があれば、当然、友人であるピアニストの朴啓二さんの登場だったのですがね。
ベタな歌謡曲系でも、ピアノでアレンジすると「しめやかな葬送曲」になるから、音楽の力はすごいものですね。
以前、「故人が大好きだった三波春夫の『チャンチキおけさ』を流してほしい」と家族に依頼されて、ピアノ葬送曲にアレンジしてもらったことがありました。「知らぬ同士が、小皿たたいて、チャンチキおけさああああ」という歌謡曲のサビに部分が、あまりにも荘厳な旋律になり、家族全員が式の途中、祭壇前で泣きだしてしまいました。
これは、「音楽の力」でありましょう。
故人が大好きだった自宅の庭の柿が、今年は誰も食べないまま鈴なりでした。入院中でしたから、当然ですね。その実が、12月になっても「食べごろのまま」です。近所の柿はすべて「シーズン終了」でしたが、これは故人の思いが、長持ちさせたのかも。

12月10日に、そのうちの枝を2本、2メートルほどに切ってきました。当日の生花祭壇に飾りました。下記の枝と実、そして観葉植物のみの簡素な物ですが、ご家族がとても喜んでくれました。

ちなみに、この写真は、僕の自宅でのもので、あわてて撮ったので、ピンボケですね。これと同じスタイル会場に飾りました。
ご家族からは「柿の枝を切っていったので、会場の『思い出のコーナー』にでも置くのかと思ったら、こんなふうにしてくれたのですか。故人が一番喜んでいると思います」のお言葉が。
会はスムーズに進行。喪主である奥様も、ご親戚も、臨席者60人あまりの方々も、全員が「よいお別れの場になりました」と。
祭壇の遺影も、この瞬間は笑顔をみせてくれたような気にもなりました。
ご家族が喜んでくれたことが、「最大の報酬」ですね。
posted by katsuhiko at 10:21|
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