◎参院選が展開中
参院選が展開されています。保守王国・群馬での「強力与党」と「野党共闘」の対決図式の行方は全国的にも注目を集めています。
衆院選もそう先のことではないでしょう。
ここでも群馬は注目されています。女性問題などが週刊誌に報じられた群馬1区の自民現職佐田玄一郎氏に対して、地元県議らが「党本部に公認申請しない」と決定。名乗りをあげた比例北関東の現職尾身朝子氏と、現参院議員中曽根弘文氏の長男で秘書の中曽根康隆氏について選考委員会で議論し、県議による多数決をもって尾身氏を公認申請することになりました。しかし、佐田氏は「あくまで公認出馬を目指す」としているため、群馬1区は「全国的な注目区」であり続けます。
◎議員の候補を選ぶ際の分かりにくさ
この間の経緯を伝える報道に接しても、一般県民には「分かりにくさ」だけがつのります。事は、民間企業の社長後継者選びではありません。群馬の、そして日本の将来を左右する仕事をする人を、どう選ぶかというものです。有権者が他人事として見ていられる話ではないのです。
「年齢の違い」「現職議員か政治家秘書か」「同じ家族内に国会議員がふたり存在することの是非」「政策ビジョンや情熱はどういったものか」「佐田氏は『週刊誌報道は事実無根』としているがどう判断すべきか」。
これらが委員会内で議論されても、多くの県民には「?」「?」「?」なのです。報道を見る限り、尾身・中曽根両氏の違いがどこにあるか、私たちには分かりません。
衆院議員1期目と、政治家秘書とで、どれほど能力が違うのかが、分かりません。今回「党本部に公認申請しない」としている現職は9期。議員としての年期なら、ずいぶん開きがあります。
「同じ家からふたりの国会議員が出るのが、よいか悪いか」、これもたしか、中曽根康弘さんと弘文さん親子は、同時期に衆参の国会議員をしていましたよね。
◎予備選でもやって、みんなに分かりやすく
今後もこうした候補者選びは起こるのですから、どうでしょうかね、今後はアメリカ大統領選みたいに、党員などによる「予備選挙」みたいなものをしてみたら。自民党総裁選でも、予備選をしてきたではないですか。郵送方式から、当節ならネット投票もあるでしょう。経費を可能な限り抑えながら、県民に分かりやすい手法を具体的に考えねばならない時代ではないですか。
少なくとも三者の公開討論会は必要だったでしょう。本人の主張・言葉づかい・表情・態度などを直接見れば、政策ビラなどからは読み取りにくい本音が多くの人に分かるものです。群馬テレビ、ネットテレビ等を利用したテレビ討論も良いかもしれません。
◎真の「みなさんんとともに」のために
18歳選挙権が始まり、若者の政治参加を促すことは最重要課題です。時代が変わる中、当事者と周辺だけの議論で候補者を選ぶ手法にも変化が求められます。県民全体の政治参加を進めるためには「時代の変化に即した具体的改革」を考え実行する必要があります。そうしなければ、多くの有権者にとって「政治は他人事」のままになりかねません。
今までのように「他人事のまま」だと何が困るか? 現状を見ましょう。国会議員の「政治とカネ」疑惑の表面化は後を絶ちません。さらに「政治資金の公私混同疑惑」の東京都知事の辞職など、国民の奉仕者とは言えない「カッコ悪い」政治家の姿が目立ちます。こうした政治家が生まれる一因は、有権者の「政治は他人事」という意識です。だから困るのです。「みなさんとともに明るい社会を」と政治家諸氏は言います。だったら候補者選びも「みなさんとともに」でありたいものです。