昨日の文章は「殴り書き」に近かったので、少し書き換えてみました。
◎改憲勢力が3分の2を超えたが
参院選は自民・公明の与党の勝利に終わりました。そう遠くない段階で衆院選も行われるでしょう。憲法改正をめざす「改憲勢力」が参院でも3分の2を超えたことで、「改憲論議を」の空気を感じます。
でも、参院選で首相や与党は「改憲論議」を前面に押し立てていなかったはずなのに……。世の大メディアや「大人社会」は、「それが政治だ」と訳知り顔をしていますが僕たち普通の国民には、分からないことだらけなのが政治の世界です。これでよいはずがありません。
◎国民への信義違反では
候補者や政党の主張に対して有権者が「信任するかどうか」を判断して投票、国政運営を託すわけです。
与党がこれまで強調し続けてきた憲法改正問題について参院選では極力触れず、大勝した後に「改憲論議」が進むとすれば、国民や民主主義を軽視している以外の何物でもありません。「改憲論議を進めるなら、それをテーマに国政選挙で信を問うことが不可欠」と誰だって考えます。それがなければ「国民への信義違反」では。
「戦争の危機の有無と軍隊の必要性」「集団的自衛権って?」「積極的平和主義って何をすること?」……。簡潔に語れる国民がどれだけいるでしょうか? その理解を深め、問題の是非を判断する絶好の機会が国政選挙にほかなりません。国民の理解が十分ではない中で「国会の3分の2以上の発議」で国民投票になったら、イギリスの国民投票のような混乱が起こるだけです。
◎ザル法の改正こそ
前東京都知事の公金不正疑惑でも、大メディアや評論家たちは「政治資金規正法は『ザル法』だからなあ」とは言いますが、このザル法を改善すべき運動を起こそうとはしません。この法律こそ「国民的大運動」を喚起して改正しなければならないのに。
国会議員の「政治と金疑惑」は後を絶ちません。「不適切でも違法ではないから」のままでよいのですか? ならば僕たちは子どもたちに「違法でなければよい。世の中うまく立ち回りなさい」と説教しなくてはなりません。道徳観はどこへやら。「政治は最高の道徳だ」と胸を張ったのは上州人宰相・福田赳夫さんだったのに。
◎明日を考える人なら
政治家は「人の心をゆさぶる主張ができる人」でなければ。今の政治家のどの言葉に僕たちは「心がゆさぶられる」でしょうか。選挙演説でも、国会論戦でも、大物政治家が相手を揶揄し、つまらない野次を飛ばす情けない光景がやみません。
「経済政策は着実に進んでいる」「さらなる成果を」と言われ、「だから消費税アップと財政再建は先送り」と言われて、どれだけの人が「なるほど」と納得しますか。誰の心が躍るのでしょうか。消費税アップ先送りには与野党とも異議なし。「自分たちの子や孫名義でクレジットカードを勝手につくり、断りなしに使いまくる」。日本人は本当にこれでいいのでしょうか。
国の明日を思うのが政治家なら、与野党ともに世論の不評も正面から受け止め、自身の落選リスクを抱えながらも「即消費税アップ」ではないのですか? そんなに国民が信じられませんか。
◎本当に必要なのは
本当に必要なのは、「与党が3分の2をとる」ことでも、「野党が巻き返す」ことでも、「憲法改正」でもなし。大メディアが難しい言葉で論じることでもなし。政治家が「小中学生をはじめ、普通の人々」に分かる言葉や考えで、明日を語り、取り組むことが当然とされる環境を作り上げることなのですよ。「みなさまとともに」と言いつつ、胸の内では自分の身の安全を考えているから、僕たちは「心がゆさぶられない」のです。