カトマンズから、エベレスト登山口たるネパール東部のルクラまでは、国内線で約40分。
この飛行機が小さいのなんの。
プロペラがついた小型機で、右際2座席、通路を挟んで左側1座席で10列くらいあったでしょうか。30人程度の「マイクロバス」って感じの室内です。
これが山間部を飛んでいきます。尾根から尾根に「触れてしまうか?」といった感じの飛行。地面には、僕たちが乗っている飛行機の影が追いかけてきます。「こんなスレスレのところを飛んでいるのかあ」と、それなりに緊張感。
こんな小型機でした。
◎「世界一怖い」は本当だ
ルクラは標高2860メートル。断崖のようなところに広がる街。そのルクラエアポート(エベレスト初登頂者ふたりの名にちなんで、正式には「テンジン・ヒラリー空港」というらしいです。)は「世界一怖いエアポート」なのだそうです。
滑走路は460メートル、幅20メートル。「4600メートル」の間違いではないですよ。断崖絶壁のふちから滑走路が始まって。ちょっと滑走して止まる。すごい空港ですね。
着陸する飛行機にとって、滑走路が水平状態ではなく、角度で言うと「12度くらい上に傾いている」という斜面状態。そんな滑走路に着陸するだけでも素人には理解不能なのに、滑走路は短いからさっさと止まらなければならない。パイロットは大変でしょうね。窓の外を見ている僕らは、「もっと大変」ですが。どの空港でも味わえない、久々に「緊張感いっぱいの」飛行機の着陸です。
初めてきた人は、着陸の瞬間「拍手と歓声」だとのことですが、確かに僕たちもそうでした。
滑走路に接近。飛行機の真下は、深い谷です。
着陸しました。機内の乗客はおおさわぎです。
短い滑走路だけに、すぐにブレーキで減速。ここまできて「ホッ」。
こんな小型機が、ひっきりなしに飛び交います。
◎標高2860メートルにお土産物屋街が
「高度順応」のため、この日はルクラのロッジに宿泊。
登山口だけあって、ロッジやホテルがいっぱい。中心街はお土産物屋さんがずらり。日本で言えば、山間部の観光地を訪れた感覚ですね。もちろん、日本では標高3000近いところに「ホテル街」や「お土産物屋街」はありません。
ぶらぶら街歩きをしているだけで、ワクワクします。けっこう「あやしげな」店もあったりしてね。
日本語の看板を出している土産物屋もありました。「ネパールが好きで、地元の男性と結婚して、ここでお店を開いています」
と笑顔の若い女性。近く、日本の「こんなところに日本人が」みたいなテレビ番組の取材がくるそうです。
荷物運びは、ヤク(牛の一種)やロバの役目です。ですから、メインストリートのあちこちに「爆弾」が落ちていて、気を付けなくてはなりません。
日本で「山村」というと、高齢者が目立つ印象がありますが、小さな子供もたくさんいます。
僕は「ナマステ」(こんにちわ)しか知らないので、この言葉だけを連発。
遊んでいた女の子ふたりが「ワン、スリー」と笑顔で言いながら、片手で指1本、片手で指3本を立てるので、「ワン スリー? なんのこっちゃあ?」と首をかしげていたら、同行者が「ワン、スイーツ。飴玉ちょうだいっていうおねだりですよ」と。
「英語音痴の僕にはスイーツが、スリーに聞こえることは不思議ではない。でも、確かに指でワンとスリーを示していたんだよ」
「日本人には、スイーツよりスリーの方が通じると教えられたんじゃないの? それで飴玉もらえたんだろう、いつも」
なるほどなあ。
手元には飴玉なし。ごめんなさいね。