◎ママさん記者の悩み
自宅で毎日新聞と朝日新聞を、事務所で上毛新聞と産経新聞を購読しています。
先日、朝起きて毎日新聞を眺めていたら、僕がいた時代から一貫して同社の目玉のひとつである「記者の目」のページで、「発信箱」という記者の顔写真付きコラムに目が行きました。。
ある女性記者が「高校生に政治への関心を持たせるには」として、こんなことを書いていました。今夏の参院選から18歳以上が投票できます。ジャーナリストであり、高2の息子を持つ母親として切実な思いをいだいているのです。
◇ ◇
「高校生は何をきっかけに、政治に関心を持つのだろう。今夏の参院選で選挙権を得る高2の息子が『選挙権なんていらないって学校でもみんな言っている』というのを聞いて考え込んだ」
この記者は、アメリカ在住の日本人ママ友の「高校生にもなって支持政党がないと『国の未来を真剣に考えていないヤツ』と思われ、恥ずかしい」という声を紹介。
「日本ではどうか。18歳選挙権実現のため活動してきた高校生らが口をそろえるのは『政治に興味があると友達に変なヤツと言われる』だ。無関心どころの話じゃない」
そして「NPO法人『ぼくらの一歩が日本を変える』の副代表理事、村山俊洋(20)さんの話が示唆に富む」と、有名政治家に会えるイベントに軽い気持ちで参加した村山さんの言葉を紹介します。
「同じ班の高1の後輩が平然とネット選挙について持論を展開しているのに、僕は当時の首相の名前すら知らなかった。誰もが政治を語る環境に身を置いて初めて、政治を語れるのはカッコイイ、と思ったんです」
そして記事をこう締めくくります。
「結局、高校生が政治に関心を持つために必要なのは、政治を魅力的に語れる、カッコイイ大人や同世代の存在なのかも」
◇ ◇
こんな記事でした。
政治に背を向ける無関心層の増大に悩んで、選挙権を18歳からに引き下げたのはいいのですが、若者に政治参加をうながす「特効薬」は、啓発でも説教でもなし。教育ですらないかもしれません。
◎現実の政治家は
では何か。女性記者が言うように、「政治ってカッコイイ」というトレンドをつくることではないでしょうか。カッコイイものには誰だって関心を持ちます。行動します。
政治をカッコよくするには何が必要でしょうか。政治家とその周辺がカッコイイことが第一条件。でも現実はどうでしょう。
「役所へ口利きを期待する建設会社からのお金を、閣僚が受け取ったの受け取らなかったの」「環境大臣が『被ばく線量目標1ミリシーベルトに法的根拠がない』と言ったの言わなかったの」「北方担当大臣が歯舞という島名を読めなかったとか読めたとか」「育児休暇宣言した議員が、妻の出産直前に不倫して辞職したのしないの」
連日報道されるのは「カッコイイ」とは正反対の国会議員の姿。
こんなことが続くから世の中に「政治家はあの程度」という印象が広がります。「国のため、郷土のため」に命を賭けている「カッコイイ」人には思えないのです。政治を語る、政治にかかわることが「カッコイイ」と思う人が出るはずもなし。
県内のある校長先生も「教科の指導には懸命ですが、社会の在り方とか日本の未来といた問題への理解を、どう指導していったらよいか、誰をお手本にすべきか。現場では大きな悩みの種」と心情を吐露します。
◎政治が変わらないなら
仮に「政治には金がかかる。建前と本音を器用に使い分けるのも大人の政治家。政治とはそういうものだよ」なんて政治家側が変わろうとしないなら、私たち国民が考えを変えなければなりません。
「そういう人たちに任せてはおけない」と。
その「兆し」は各地で芽生えているのですから。
僕昨春から向き合っている明和短大の学生も、18歳、19歳が多いのですから、彼女らにとってもきちんと取り組まねばならない問題なのです。「政治問題」は。
2016年02月19日
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