2016年04月05日

カポックの新芽が今年も

◎無事に新芽が出始めました

 家のリビングに植えてある観葉植物カポックの新芽が、今年も3月末から出始めました。もう10年くらいになるのですが、室内という植物には厳しい生育状況の中で、頑張ってくれています。
 最初は薄い緑色の小さな小さな「芽」が出てきて、それが「茶緑色」とでも言いますか、そんな感じで小さな「茎と葉っぱ」の形に育っていきます。
 下の写真の、真ん中あたりの一番上に薄い緑色の小さな葉が3本ほどあるのが、それですね。長さ数センチほどです。

IMG_4455.JPG

 これが、すぐに20センチくらいの長さまで成長して、深い緑色に。こうなると「一人前です」。

◎物言わぬ植物の「声なき声」

「物言わぬ」植物ですが、彼らは彼らで、僕たち「家主」になんらかのメッセージを発信し続けている日々なのでしょう。そんな声に耳を澄ませることも、楽しいことだと思います。
 たとえば、農家の人なら、作物・土・水など、やはり「声なき声」に耳を澄ませる毎日でしょう。
 林業や植木屋さんは、樹木の「声なき声」と語り合いながらの作業でしょう。
 目の前の植物を見つめ、その様子から「推察」「仮説」を繰り返して、何らかの対応をとってゆくのですから。

◎人間だってそうですよ

 本来、言語なんて、コミュニケーションの道具としてはさほどに大きな力を発揮しない。そんな言い方もありますよね。
「人がコミュニケーションを図る手段としての言語の比重はせいぜい2~3割。むしろ大切なのは表情・態度・声の調子など、『非言語要素』です」
 これも、比較的有名な話。
 たしかに、家族でも友人でも仕事相手でも、人はそう簡単に「本音を吐かない」生き物です。その表情や雰囲気から「相手はどう思っているんだろう? なにを考えているんだろう?」と推し量ることの方が多くありませんか。
 男女の恋愛の駆け引きも、同じようなものかもしれません。「『一生の運命』『幸せ・不幸せ』をかけた契約である結婚を見据えた、壮大な腹の探り合い」と言ったら、ちょっと生臭いですかね。
 男も女も、恋人時代はなかなか「本音」を言葉では語りません。気取りも、照れも、打算もありますから。でも、表情や態度には必ず本音がのぞきます。「100%ポーカーフェイス」を保てる人間なんて、ごくごく少数派。いえいえ、そんな人なんて「つまらない」じゃないですか。

◎かすかなシグナルをキャッチ

「寝たきりの入所者さんも、言葉にならない、かすかなシグナルを発信しているんです。それを的確につかんで、それにこたえること。そこに、私たちの仕事の喜びがあります」
 先日お目にかかった老人ホームの施設長さんから聞いた言葉が忘れられません。そこには、介護専門職としての豊かな経験と知識からくる「推察」「仮説」が、「声なき声」を明確な「言語」として感じ取る世界があります。
 これって、介護の世界だけのことではありません。僕たちの日常の暮らしに通じるテーマじゃないでしょうか。

◎人も植物も「相手の気持ちを思いやる」環境

 話を、植物の声なき声に戻しましょう。
「高層ビルの屋上や非常階段に、花壇を整備したいんです。『よからぬこと』を考えてそこに立つ人に、『はやまったことをするんじゃありません』という植物の叫び声が聞こえるように。物言わぬ植物たちは、その姿によって、いろんなメッセージを発信しているのですから」
 装飾園芸家の渡部祐子さんは、そう言います。
 毎日、自宅のカポックの様子を見ることで「語り合っている」気分の僕は、「なるほど」と思います。
「今日は暑いな。窓を開けて風をあててよ」「水がほしいなあ」から「あんた、顔色が悪いぞ。どこか体の調子が悪くないかい?」といった感じですね。カポックさんの全体像は、こんな感じです。10年も同居しているのですから、名前くらいつけてやらなやいけませんね。(^^)/

IMG_4453.JPG

 もちろん、超能力者や仙人ではないのですから、現実に植物と言葉でやりとりできるはずもなし。
 でも、その様子から「こう言っているのでは?」と推察する習慣は、家族にも、友人にも、もちろん仕事相手にも役立ちます。
「相手の気持ちや状況に気を配る」という、かつて僕たち日本人が当たり前に備えていた感性の話です。
 これが、薄くなる一方の世の中のような気がしませんか。
「他人の心など、関係なし」みたいな考え方が横行しています。「寂しい」というより「つまらん世の中だなあ」と僕は思うのですよ。そんな乾いた世の中ってね。
posted by katsuhiko at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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