2016年05月11日

100人以上はいる「僕の父親」のひとりが

 昨年末、念願の歌集『辰巳の空』を刊行した、元校長先生の友松稔さんが亡くなりました。
 友松さんは、最後の最後まで、人とはかくあるべしという視点を持った「律儀な教師」でありつづけました。
 4月下旬に病院にお見舞いに行き、「先生。快気祝いは、先生の家の近くの『竹やぶの中のそば屋』だね。そこで盛りそばをごちそうしてよ。それ以外の返礼品は受け取らないよ」と、しばし雑談し、握手してきたのが最後となりました。。

 友松さんとは数年前に、上毛新聞ひろば欄掲載300本をまとめた本を作ってからのおつきあい。
 自分史や句歌集の著者とは、「親子」のような関係になって、おつきあいが長続きします。
 命には限りがありますから、いつかは「お別れ」がくるのですが、「親の数が100人以上にもなる」僕にとって、やはり切ないものです。
 歌集を横に置きながら、今一度、友松さんとそばをすすりたかったのですが。

辰巳の空.jpg

 これが、歌集『辰巳の空』です。

タージマハル.jpg

 これは『辰巳の空』に収録した、友松さん幸子さんご夫妻のインド旅行の写真です。
 有名な世界遺産「タージマハル」ですね。
 歌集ではこの写真に、
  それ見れば死してもいいと思ひたるタージマハルは眼の前に立つ
    (平成25年6月27日  NHK那智勝浦短歌大会入選作)
 という短歌を添えています。それくらい、大きな感動を手にしたということですね。

「上毛新聞ひろば欄に、300回掲載の後も、すでに160回以上載っています。通算500回になったら、301回目から500回目までの掲載作品を本にしたい」
 友松さんは、そうも言っていました。
「あと3年かかるか、4年かかるか。それを生きる張り合いにしよう。次は米寿の記念出版だね」
 いつも以上ににこやかに、そんな意欲を示していた友松さん。
 
 ありきたりの言い方ですが、「天国から投稿を続けてください」と申し上げるしか……。

 これも、人生ですかね。
posted by katsuhiko at 14:05| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
初めまして。
友松稔先生が亡くなったと知り、検索して辿り着きました。
先生の元気そうな画像に泪が溢れてしまいました。
3年ほど前、お電話を頂き話したことがありました。
もっと話せたら良かったのに、と今更後悔しています。
Posted by Mayu at 2016年12月21日 18:18
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